梅酢の薬効で疲れやすい体を改善!薬膳としても愛されてきた梅

「体がだるくて、疲れがとれないなぁ」と感じて憂うつになった経験はありませんか?

“疲れやすい”と感じる原因は体調不良から深刻な病気まで多岐にわたります。診療なしに疲れやすい原因を確実に突き止めることは難しいです。ですが、多くの場合で日常のストレスや生活リズムの乱れからくる“内臓の不調”が原因と言えるでしょう。

そんなときに疲労回復のサポート役を担うのが梅酢です。今回は、梅酢の薬効についてまとめていきます。

梅は“体の疲れ”を解消する

体が疲れると酸っぱいものを食べたくなると言われますが、酸味がある食べ物の代表「梅」にはクエン酸が豊富に含まれています。クエン酸は疲労回復や整腸作用など健康によい効能がたくさんあります。クエン酸と聞くとレモンを連想しがちですが、梅の方がクエン酸含有量は高いです。

梅は古くから薬効があるとして食べられてきた歴史がありますが、酸味が強いことから好き嫌いは分かれます。誰でも気軽に梅の栄養を摂取できると期待されている食材が、飲みやすくてお手頃な「梅酢」です。梅酢には梅の栄養がギュッと濃縮されており、臨床実験で健康効果も実証されています。梅が健康の補助をしてきた歴史と薬効について確認していきましょう。

梅は漢方として3,000年の歴史がある

梅が日本に渡ってきたのは奈良時代(710年-794年)より前とされています。中国に派遣された遣唐使が「烏梅(うばい)」という燻製された梅の漢方薬を持って帰国したことが最初とされます。大分県や宮崎県に野生の梅が自生してきたとする説もありますが、中国から渡来した植物であるという認識が一般的でしょう。

では、梅はどのような漢方薬として知られているのでしょうか?

杏仁水はアンズ、烏梅はウメ

梅を燻製にした烏梅は「烏(からす)」という文字が入るとおり、真っ黒な見た目をしています。外見からして梅の実だとわからないほど黒くいぶしてあります。

「杏仁水(きょうにんすい)という漢方は梅を原料としています」と誤解されていますが、杏仁水の原料は梅ではなく杏(あんず)です。杏の種を原料とした漢方で、気管の調子が悪いときに服用されます。杏仁水と烏梅は薬効が微妙に異なるので、間違えないように気をつけましょう。

では、烏梅の効果はどうでしょうか?

烏梅の薬効は幅広い

「風邪を引いたら梅干しを焼いて食べるとよい」という民間療法があるので、体調が悪いときに梅干しを食べると治りがよくなると知っている人も多いでしょう。

実際烏梅には解熱、下痢止め、せき止めなど幅広い効能があり、近年の研究でも梅に含まれる成分が健康によいと発表されてきています。ですが、梅は3,000年以上も前から薬として飲まれてきているので“効果があるとわかっていたものに科学的な裏付けがされただけ”と言ってもよいほど、信頼は十分にある食材です。

疲れやすい体に効く!クエン酸とリンゴ酸の力

漢方のような薬、梅干しなどの加工食品として古くから口にされてきた梅ですが、科学的な調査でも健康の源であることが判明しています。

梅の最も特徴的な成分は「クエン酸」と「リンゴ酸」の2つです。クエン酸と言えばレモン、リンゴ酸と言えば名前のとおりリンゴに多く含まれる有機化合物ですが、含有量は梅の方が優れています。つまり、レモンに含まれるクエン酸よりも、梅に含まれるクエン酸の量が多く、リンゴよりも梅に含まれるリンゴ酸の方が量が多いということです。

では、クエン酸とリンゴ酸はそれぞれどのような働きをするのでしょうか?

クエン酸もリンゴ酸もエネルギーを製造するTCAサイクルの一部

クエン酸とリンゴ酸は名前こそ違いますが、同じような役割で人体のエネルギーを生成しています。体の中ではクエン酸回路(クエン酸サイクル)というエネルギー代謝が行われており、クエン酸は形を変えてエネルギーを生産しています。

クエン酸から始まり、イソクエン酸やリンゴ酸などに形を変えるこの運動は専門的な言葉で「TCAサイクル」と呼ばれますが、中心となる物質はクエン酸です。つまり、クエン酸を多く含む梅を摂取することは、生きるためのエネルギーを生成する原動力を手に入れるということです。

胃腸の働きをよくする、整腸効果

クエン酸の役割はエネルギーを生成するだけでなく、健康を補助する効能を持っています。

クエン酸回路は体内で起こる燃焼活動のため、細胞が活性化、体内はアルカリ性になります。疲労の原因は体内の乳酸が増加し、血液が酸性に傾くことで起こるとされていますが、クエン酸回路の活動が活発化することで血液はアルカリ性に浄化されるため、疲労が回復します。

梅の栄養が詰め込まれているのが梅酢

梅は古くから漢方や民間療法として信頼されてきた実績があることを紹介しました。

梅が健康によいとわかっていても、すっぱい梅干しを毎日食べ続けることは大変です。独特な酸味が苦手という人もいるでしょう。そこで人気を集めているのが梅酢です。

梅酢には、梅の栄養が詰まっているため、毎日ティースプーン1〜2杯程度飲むだけで健康をサポートするのに十分なクエン酸を摂取できます。水や麦茶で割っておいしく飲むこともできますし、芋焼酎などお酒で割って飲んでもよいです。

梅には3000年以上信頼されてきた歴史があります。その栄養が詰まった梅酢ですから、1日少しずつでも飲み続けてみましょう。毎日のお手軽な習慣で、疲れやすい体を改善できます。

AD

SNSでもご購読できます。